赤子の日記

僕は頑張るよっ

絵本

「絵本を読んであげる。」そうやっておじさまと約束したのに。

28歳の殿方は「おじさま」と呼ぶにはまだまだ若いですが、私の我儘をいつも聞いてくれる賢いお方で手を伸ばしても到底触れることも出来ないまるで月のようなお方でございました。

一度は月に触れましたが、すぐ地上に叩き落とされました。人間として未熟で子供の私はその事実を認めることが出来ず、「彼は忙しいから…」とずっと待っていました。今はもう我儘を言うことは出来ないし、隣で手を繋いで眠ることもないでしょう。

校外学習でおじさまだけに買ったお土産もまだかまだかと部屋の片隅に保管されています。

「好きにならないから。」これが彼に火をつけたんでしょう。

最終的に私は彼に恋に落ちたかといえば疑問ですが依存していたことは確かです。

私だけ。という優越感が堪らなかったんでしょう。おじさまほど刺激的でリスクのあるお相手はもう今後現れないと思います。

ただの女の勘ですが、今は私より歳の若い純粋な女の子と関係を持っていると思います。もしそうであるのなら、異例でも特別でもなんでもなくなり、おじさまはただの男になってしまうのです。そして私は長い夢から醒めるのです。